S&P500はどこまで下がる?過去の下落率から底値を予想 | 経済・投資編 #86

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一般的に20%安が弱気相場の定義とされている中で、S&P500は株価が一時20%安になるなど、本格的に弱気相場入りが懸念されています。

特にネガティブニュースがないのにも関わらず下落が続くS&P500をはじめとする米国株の購入をやめるべきなのか?売却すべきか?について説明していきます。

この記事でこれがわかる!
  • 過去の下落率からみた今の相場
  • 現在なぜS&P500は下落しているのか?
  • S&P500はどこまで下がるのか?

米国株は完全に弱気相場入りか?

&P500は株価が一時20%安になるなど、本格的に弱気相場入りが懸念されています。

では米国株に対するマーケットの考えや投資家心理はどうなのか?というと米国株について完全に弱気相場入りしたと考える人が多いです。

なぜなら、アップルやグーグルをはじめとするGAFAMは年初来から20%以上下落しており、NASDAQにいたっては27%の下落となっており、既に弱気相場入りしています。

今までの下落は米国株式市場を牽引してきたハイテク株の下落が目立っていましたが、現在はウォルマートなどの一般消費財といわれるセクターの下落幅も大きくなってきており、米国株全体で悪い流れが伝染しています。

なぜ株安が続いているのか?

ではなぜ株安がつづいているのかというと、「小売業者の決算の悪化」と「高まる経済後退への不安」が挙げられます。

小売業者の決算悪化

今週、ロスストアーズ(ROST)は、決算を発表し年間ガイダンスを下方修正しました。

そこに続くようにウォルマート(WMT)とターゲット(TGT)が加わり、インフレとサプライチェーンの混乱が小売業者の収益性の悪化を招き、景気後退への懸念がさらに増し、株価に反映されました。

ウォルマートの株価は今週、過去最悪の週次パフォーマンスで19.5%下落しました。

高まる経済後退への不安

では小売業者の決算がここまでの株安につながるのかというと、一企業、業界の決算が全体に影響を与えることは過去にはありません。

やはり、投資家は現在の市場に悲観的であり、こうした少しの悪材料で株価は今後も乱高下していくでしょう。

S&P500はどこまで下がる?

こうした相場の中で、S&P500は一体どこまで下がるのか?といったところに焦点が当たっています。

過去の景気後退時はどうなのか?

実際に過去の景気後退時には平均29%の下落率となっております。

現在は20%の下落率であることを考慮すると、「ここからさらに10%下落する」と警鐘を鳴らす著名投資家も多くいます。

最高値の4800ポイントに過去の下落率の平均値を掛け合わせると、3400ポイントとなります。

現在の株価が底値だと考えている人も多くいますが、過去の景気後退時と比較しても現在の株価をそこと考えるには時期尚早でしょう。

さらに過去の景気後退場面と現在の景気後退ではやや状況が違います。

現在のアメリカは「歴史的なインフレ率」「サプライチェーンの混乱」「過去最大の金融引き締め」など過去にないほどのネガティブ材料があります。

この悪材料が現在の株価にどう反映されていくのか?過去最大の金融引き締めは現在の株価に織り込み済みなのか?といったところに注目が集まっています。

現在のS&P500の株価

上の図はS&P500の週足チャートになります。

現在の株価はピンク色の100週移動平均線がある4000ポイントを下に抜け、200週移動平均線である3480付近を目掛けてさらに下落することが予想されます。

やはり、4000ポイントで反発すると予想している投資家が多くいたため、4000ポイント付近で強い買い傾向があったものの、反発を期待する買いよりも、景気後退を懸念する売りの方が大きく下抜けする結果となりました。

私も4000ポイントというのは心理的にも大きな抵抗線になると思っており、ここを下回るようだと一段と売りが加速する傾向になると考えています。

過去の下落率をみても、3400ポイントまで下落する可能性は低くないことを考えると、今後も弱気相場は続いていくことが予想されます。

FRBの強気姿勢は崩れないのか?

ではどうしたら株価が上昇トレンドに転じるのかというと、FRBの金融引き締めへの姿勢が変わらない限り上昇トレンドに転じることは難しいです。

パウエル議長は「インフレ退治を最優先にする」と経済を犠牲にしてインフレを抑え込む姿勢を崩していないことを考えると、インフレ率が高止まりしている今の状況では金融引き締めのペースを鈍化することは考えにくいです。

S&P500が下落し続けるようであれば、経済回復策を検討することは過去にもあり、インフレ退治という姿勢をどんなに経済が崩れても優先するということはありません。

しかし、その下落率がどれほどまでということは誰にも予想できませんし、いつ発表されるのかもわかりません。

一旦は、4000ポイントを下回ったということもあり、相場は悲観の一途をたどっていますが、3400ポイントまで下がるようであれば、スポットで購入するのもいいでしょう。

しかし、「市場が上昇する理由が一つも見つからない」等の言葉が流れ始め、悲観論がピークに達する時に株価は底打ちする傾向があるということは必ず覚えておきましょう。

まとめ

今回はS&P500がなぜ下がり続けているのか?今後のS&P500の下落はどこまで続いていくのかについて解説していきました。

私は現在の株価が底値であるとは考えていませんが、全体が悲観的である時こそ買い場であるということ考え、一部の優良株やS&P500などの成長を続けてきているインデックスへの投資を強めています。

誰もが底がどこであるかを予想できない以上、スポットで買い続けていき、富の源泉である弱気相場の旨みを逃さないようにしましょう。

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