先週の相場はダウ平均、S&P500,NASDAQ100の3指数が軒並み急落するなど、非常に厳しい相場になりました。
今回は米国株はなぜこんなにも暴落しているのか?今後の米国株式市場はどうなっていくのかについて考察していきます。
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21日のパウエル議長の発言
ではなぜ米国株式市場が混乱しているのかというと、それはFRBのパウエル議長が21日に「通常の2倍の利上げ幅になる0.5%の利上げが選択肢にある」と明言したことが要因だと考えられます。
これにより、5月のFOMCで0.5%の利上げに踏み切ることを示唆しました。利上げが加速するのは市場に織り込み済みなのでは?と考える人もいると思いますが、1回の利上げ幅が0.5%になるのはITバブルの2000年以降前例のないことです。
それくらいFRBは現在の経済状況を重く見ているということです。
では本当に現在のインフレは過去と比較して懸念すべきなのか?という点については過去最悪レベルのインフレであることに間違いはないと思います。
上の図はCPI(消費者物価指数)と政策金利の推移の図になりますが、図を見るとわかるように8.5%というのは1992年以降30年ぶりの水準となります。
また、当時は政策金利が10%を超えていましたが、度重なる金融緩和により現在の政策金利は0.1%未満と過去最低の水準となっています。
本来であれば、CPIが悪化してきている時点で政策金利を上げる必要があったのですがコロナショックによって思うように政策金利を上げることができませんでした。
しかし、直近のウクライナ情勢の悪化によるエネルギー資源の高騰などによりインフレが高止まりすることが予想されるため利上げのペースはより一層加速する可能性があります。
直近の市場参加者は政策金利が2.75%-3.00%になると予想しており、これは残りの6回のFOMCのほとんどで0.25%ではなく、0.50%の利上げが行われると予想しているということになります。
何も懸念材料は利上げだけではありません。FRBはコロナ禍以降市場に大量のマネーを流入し、経済を活性化してきていましたがそのマネーを今度は逆回転し、吸い上げることを考えています。
過去にQTが行われた際には米国の株式市場は下落トレンド入りし、低迷しました。
このようにインフレの高止まりによる利上げの加速やFRBのQTを考慮すると株式市場は低迷する可能性が大きいです。
グロース株の終焉
これまでS&P500を牽引してきたネットフリックスやGoogleなどの決算が振るわなかったことで、NASDAQ100は大幅下落となりました。
ネットフリックスに至っては至っては2四半期連続で決算が振るわなかったため、最高値から72%の暴落と投資家たちの失望売りが目立ちました。
詳細は別の記事で取り上げています。
さらに、GAFAMのうち、Facebookは広告収益の減収やアクティブユーザー数の減少、さらにはメタバースへの大量投資懸念から55%も下落し、現在も高値を更新できていません。
さらに、GoogleもYouTubeの収益が期待外れだったほか、純利益が減少したことにより投資家たちは今後の成長に悲観的になっています。
これまでブームになっていたGAFAMなどのグロース株の時代が崩れ始めています。
今までは高い成長率や金融緩和を追い風に、株価を着実に伸ばしてきたハイテク株ですが、成長率の鈍化や金融引き締めを背景に現在の割高な株価は見直される可能性が高いです。
NASDAQの100の週足チャート
上の図はNASDAQ100の週足チャートになりますが、ピンク線の100日移動平均線を割り込む展開となっています。
次に向かうのは2020年の11月の12000ポイントとなり、そこを割り込むと2020年の7月の水準である11000ポイントを試す展開になってきます。
しかし、年初来から下落トレンドに転換しており、年初来最安値を更新していることから今後も下落トレンドは続くと思います。
日本人投資家は円安も逆風に
これは日本人投資家への影響になりますが、米国株投資をしている人にとって円安は逆風になります。
なぜなら、1ドル100円の時は100万円で100ドルの株は100株買えますが、1ドルが130円になった場合同じ100万円でも77株しか買えなくなります。
このように円安が進むと同じ株価でも買える株数は減るということを覚えておきましょう。
さらに、現在は日銀の指値オペが続くことから、日米金利差は拡大し円安はさらに加速することが見込まれます。
既にある程度、ドル建てでの投資をしている人は為替による利益を得てると思いますが、今後も積み立てていく場合やドル建て資産を購入する場合は為替は逆方向に働きます。
円安は日本企業に良い影響をもたらすから、為替リスクもない日本株に投資をしようと考える人もいますが、それは違います。
確かに昔は円安局面では輸出品が海外から見て割安になる為、日本企業の利益につながりやすいといった事実がありました。
しかし、最近は円安で受けられるメリットは減り続けているのです。それは、輸出企業はアメリカや中国などの大消費地に生産拠点を移している為、日本で商品を作って海外に売るのではなく、現地で作り現地で売るようになったので、日本の輸出額が大きく減少しているのです。
こういったことから、円安は日本企業にとって必ずしも良い影響とは言えないでしょう。
さらに、そもそも円安がプラスに働くというのは輸出企業だけの話で、輸入企業にとっては原材料の高騰と悪い影響しかありません。
日経平均が米国株の影響を大きく受けることを考えると、海外投資家がほとんどである現在の日本株に手を出すのは少々危険だと感じます。
まとめ
今回は現在の米国株式市場について説明していきました。
米国株が本格的に下落トレンド入りしたことや円安局面が続く公算が高いことを踏まえると現在は積極的に買い向かう時ではないように思えます。
世界経済に大きな影響を与える米国の経済は今後どうなっていくのかは、投資家としてみていく必要があるでしょう。
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