FOMC後にはS&P500,NASDAQ、ダウ平均ともに3%近くの上昇を見せたものの、翌日には再度下落しました。
この値動きには疑問を感じている方も多く、米国株式市場は本格的に低迷期に突入したと考える方も少なくありません。
そこで今回の記事ではFRBが0.5%の利上げを発表した後の市場の反応となぜ米国株式市場は再び下落に転じたのか?について解説していきます。
S&P500にインデックス投資をしている中で不安になっている人は、この記事を見て今アメリカで何が起こっているのかを理解しよう!
5月のFOMCで金融政策方針を発表
FOMCとは?
今回の内容に入っていく前に、FOMCについて理解しておきましょう。
FOMCとはアメリカの中央銀行にあたるFRB(日銀のようなもの)が金融政策を決定する会合のことです。
つまり、株式市場に多大な影響を与える会合ということもあって、全世界の投資家たちがこの会合の内容を見守るのです。
とりわけ5月のFOMCでは「0.75%の利上げが行われるのか?」「0.5%の利上げが行われるのか」といったように、利上げのペースについて注目されていました。
FRBは「最大雇用」と「物価の安定」というアメリカの経済の安定を目標としています。
この二つの目標のために金利調整などの金融政策を行うというわけです。
FOMCがアメリカの経済を決めているといっても過言ではないぞ!
深刻化するインフレ
ではなぜ今回のFOMCでは利上げのペースの加速が懸念されていたのかというと、それは深刻なインフレが背景にあります。
失業率はアメリカ経済の人手不足も一因となり、3.6%と低水準で推移しておりますが、物価は前年比8.5%の上昇と約40年ぶりの高水準となりました。
なぜここまでインフレが悪化してしまったのかというと、FRBがコロナ以降に「ゼロ金利政策」と「QE」によって市場に大量の資金を投入し、アメリカの経済を活性化させたことが原因です。
コロナ以降はアメリカは失業率が15%と深刻な状況に陥っていたのです。FRBは失業率を抑えるために「ゼロ金利政策」と「QE」を実施したというわけです。
しかし、「ゼロ金利政策」と「QE」は株式市場には追い風になりますが、株式資産を持たない人と持つ人とで格差が広がります。さらに、追い討ちをかけるように「サプライチェーンの混乱」や「ウクライナ戦争」、「世界の工場とも言われる中国のロックダウン」により、原材料が高騰し、インフレが高止まりすることになりました。
インフレというのは富裕層よりも低所得者層に深刻な影響をもたらすため、FRBはインフレ抑制に早急に着手する必要があったのです。
5月FOMCの内容
では5月FOMCの内容はどうだったのかというと「特段のサプライズは無し」でした。
わーい!これで不安材料は無くなったし、株価は爆上げだ!
と思った方が買い向かった結果、ダウ平均は+2.8%,S&P500は+3.0%,ナスダック総合は+3.2%と急騰しました。
しかし、この喜びも束の間…翌日には再び下げに転じ、3%以上も下落する結果となりました。
くそう…なぜ上昇しないんだ…
と悔しい思いをした方もいたでしょう。
その理由について解説します。
FOMC発表後もなぜ再び下落?米国株の上値は重い
ではなぜ上昇トレンドに転じられなかったのかというと、それは「0.75%という利上げかもしれない」の不透明感が無くなっただけだからです。
過去最高レベルの金融引き締め
中には利上げの幅が小さくなったから、上昇トレンドにならないのはおかしいと考えてる人もいます。
しかし、利上げ0.5%は決して小さな利上げではなく、0.5%の大幅な利上げは2000年5月以来22年ぶりの高水準(前回は0.25%)となります。
さらにFRBは保有する国債などの金融資産を来月から段階的に圧縮していく対応を始めることも決めました。
月額475億ドル、日本円でおよそ6兆1000億円を上限に圧縮を始め、3か月後には上限を950億ドルに拡大するとしています。
前回のQTは上限が500億ドルだったことを考慮すると、利上げ、QT共に2倍のペースであることがわかります。
このように、利上げのペースは鈍化したものの、過去最高ペースの利上げには変わりはなく、市場は悲観的になっていると考えられます。
世界各国も金融引き締め開始
インドの中央銀行は4日、基準金利の大幅引き上げを発表し、オーストラリア中銀も、10年以上ぶりの利上げに踏み切りました。英イングランド銀行も5日金利引き上げを発表するとみられています。
さらに、ブラジルの中央銀行は政策金利を1%引き上げて12.75%とすることを決めました。利上げは去年3月以降10会合連続で、政策金利は2017年2月以来5年3か月ぶりの水準となっています。
このように世界各国で深刻な原材料高やインフレが問題になっており、各国の中央銀行は利上げに踏み切らざるを得なくなっています。
今後の利上げは?ペース加速もあり得る?
またパウエル議長はアメリカ経済そのものは堅調で金融引き締めに対応できると、アメリカ経済に強気の姿勢を示した後、「次の2回の会合でも0.5%の利上げが検討されるだろう」と述べ、来月と7月の会合でも0.5%の大幅利上げを続ける可能性を示しました。
一方、市場ではFRBが今後0.75%のさらなる大幅な利上げに踏み切る可能性が警戒されてきましたが、これについて問われたパウエル議長は「0.75%の利上げを積極的に検討しているということはない」と述べ、慎重な考えを示しました。
S&P500はどこまで下がる?今後の株価は?
S&P500は年初来14%安と下落トレンドが続いております。
現在も反発はあるものの、上値が重い展開が続いております。
週足チャート
上の図はS&P500の週足チャートになります。
この図を見ると、ピンク線である100日移動平均線を目標に下落しており、ここを下抜けするようなら、株価はさらにその下の抵抗線である3400ポイント台まで下落する可能性があります。
仮にここで反発したとしても、4400ポイントの50日移動平均線が抵抗線となり、再び下落トレンド入りする可能性はあります。
金融引き締めが序盤であることや今後も株式市場に逆風が吹くことを考えると、4400ポイントを上回る可能性はかなり低いと言えるでしょう。
今後の見通し
米国株の今後の見通しは、かなり厳しいものであることには変わりありません。まだまだ本格的な下落はこれからです。
しかし、下落相場は最高の富の源泉であるということを忘れてはいけません。
誰もが悲観している時こそ、積極的に買い向かうべしとはよく言います。
あなたも強い気持ちでこの波乱の相場を乗り越えましょう!
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まとめ
今回はFOMCの発表を受け、なぜ米国株式市場は下落したのかについて説明してきました。
やはり、金融引き締めが過去最高ペースであることや金融引き締めはまだまだ序盤であり、今後の企業業績がアメリカの経済を判断する材料となるでしょう。
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