過去のバブルから学ぶ 現在の株式市場はバブルなのか?アメリカ経済の行方は?| 令和の教科書 | 経済・投資編 #66

令和の教科書
スポンサーリンク

株式市場が低迷Ⅲ続ける中で、今回の資産バブルは崩壊したのではと思っている方も多いでしょう。

多くの方はご存知かもしれませんが、株式市場は多くのバブルを経験してきています。

今回は「バブルの歴史」という本に基づいて、過去のバブルを振り返りつつ、世界の投資家はどう見ているのかについて話していきます。

株式市場を混乱に陥れた数々のバブル

バブルと低金利の関係を解き明かす『バブルの経済理論』:日経ビジネス電子版

過去に起こった有名なバブルは下記のようなものがあります。

過去に起こったバブル
  • チューリップバブル(1630年代 オランダ)
  • 南海泡沫事件(1720年代 イギリス)
  • 鉄道ブーム(1840年代、イギリス)
  • 世界恐慌(1929年 アメリカ)
  • 日本の高度経済バブル(1980年代 日本)
  • ITバブル(1990-2000年 アメリカ)
  • サブプライム住宅ローン危機(2007-2009 アメリカ)
  • リーマンショック(2008年 アメリカ)

チューリップバブル

チューリップバブルはオランダで起きた世界初のバブルと言われています。

チューリップ自体が当時は大変高価なもので、貴族や学者などのお金持ちの家にしかない貴重なものでした。

ごく稀に特殊な模様にチューリップが発見され、特殊な模様のチューリップは破格の値段で取引されていました。

しかし、一般人には到底手が届かず、球根に目が向けられたのです。

この球根から咲くチューリップが特殊な模様を持っていれば、一生遊んで暮らせると考えた人たちが球根に群がり、住宅や生涯稼ぐお金の全部を使っても購入できるかできないかぐらいの値段にまで跳ね上がりました。

しかし、後に求婚の価格はみるみる下落し、世界初のバブルは崩壊しました。

南海泡沫事件

英国政府によって1711年に設立された南海会社は、政府の借金を肩代わりする代わりに「政府から引き受けた借金の5〜6%を毎年受け取る権利」「南米との独占貿易権」を付与されていました。

しかし、貿易とは名ばかりで事業としては立ち行かなくなっていきました。そこで、一か八かで宝くじの販売をやってみたところこれが大ヒットし、莫大な利益を得ることになります。

そこで、南海会社は国債と株を交換し、さらに金利をもらうことを思いつきます。南海会社は次々と国債と南海株を交換していき、ついには南海株を担保にし、さらにお金を借り南海株を購入する人まで現れました。

これがバブルの始まりでした。このように南海株を買い、株価が上がり、南海株が上がった分だけさらにお金を借り、また南海株を買うといったように南海株は飛ぶように売れていきました。

株価は半年で10倍にまで跳ね上がりました。

ここで暴落しておわりかと思いきや、南海株で儲かった人たちは株は儲かると錯覚し、訳のわからない泡沫会社と呼ばれる実態のない会社がブームに乗っかり190社も出来上がっていました。

そのほとんどが実体のない会社で残ったのは結局4社。結局南海会社の株価も暴落し。ほとんどの人が一文無しになるというバブルです。

ITバブル

ITバブルは1990年代前期から2000年代初期にかけて、アメリカ合衆国の市場を中心に起こった、インターネット関連企業の実需投資や株式投資が、実態を伴わない異常な高値になったことです。

NASDAQ総合指数は、1996年には1000前後のものが、1998年9月に1500を、1999年1月には2000を突破し、2000年3月10日には絶頂の5048を達成しました。

このように、通信会社というだけで株価は爆上がりし、ドットコムとつければ株価は上がるとまで言われていました。

しかし、結局IT関連ベンチャーは倒産、多くのIT勤務者は失業となりアメリカ経済は不景気になっていきました。

リーマンショック

リーマン・ショックは、アメリカ合衆国で住宅市場の悪化による住宅ローン問題がきっかけとなり投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻したことにより、連鎖的に発生した世界規模の金融危機です。

リーマン・ブラザーズ・ホールディングスはサブプライムローンの積極的証券化を推し進めた結果、アメリカ五大投資銀行グループの第4位にまで上り詰めた巨大証券会社です。

当時は住宅市場は悪化していたものの、「リーマンブラザーズは潰れないのではなく、潰せない」と大きすぎて潰せないを信じている人たちが多く、突然の倒産は世界経済に大きな影響を与え、世界経済が不景気に陥ったというバブルです。

一部抜粋して紹介しましたが、他もバブルも同じようにみんなが熱中し、この好景気はバブルではないと思っていると突然経済は崩壊し、不景気になっていくという形がほとんどです。

今のアメリカはバブルなのか?

私が皆さんに聞きたいのが、あなたや周りにいる投資家たちは現在どのように株式市場を考えていますか?といったことです。

この質問に対して右肩上がりで成長していくはずだから、「今が1番の安値である」と言った考えがあるとバブルである可能性は高いのかなと思います。

バブルの時は往々にして人々は必ず株価は上がると信じています。

過去のバブルからもわかるように、振り返ると馬鹿げていると思うものでも、その場に参加していると気づけないものです。

あなたは客観的に見て現在の経済を合理的に判断できていますか?バブルでない理由を根拠立てて説明できますか?

ここで著名投資家であるジェレミーグランサムのインタビューを一部抜粋して紹介します。

ジェレミーグランサムの懸念

著名投資家のジェレミーグランサムは今の経済をこう語っています。

「今のS&P500の上がり方は異常だ。上昇の後、突然暴落はくる。今の上昇はバブルの前兆だ」

彼はラッセル2000(米国の時価総額1001-3000の小型株)を引き合いに出し、ラッセル2000がマイナスリターンであることを不可解に思ってます。

本来なら、「S&P500が23%も上昇するのであれば、ラッセル2000は30%上昇するはず」と言っています。

このような現象は1929年の世界恐慌やITバブル以外では起こっていません。

ジェレミーグランサムは世界恐慌、日本バブルまでも引き合いに出し、「安値で買えというのはバブルの時にしか聞かない」と述べ、今がその状態にあることにかなり自信があるとも言っています。

FRBの金融緩和はもう通じない

ジェレミーグランサムはFRBは全くバブルについて理解していないと非難しています。

過去のITバブルや住宅問題が深刻化した時にさえ、FRBはそれを否定し、経済に影響はないと主張していました。

そして実際にバブルが崩壊し、経済が深刻化したときにFRBは金利を15年間引き下げ続け、当時16%の利回りがあった長期国債は現在ではマイナス2%まで落ち込んでいると、強く非難しています。

ジェレミーグランサムは「低金利は万能薬ではない。富裕層をさらにお金持ちにしているだけ。国民全体は豊かにならない」とFRBの政策に不満をあらわにしていました。

投資家の反応は様々

現在の株価について投資家の反応は様々です。

アークインベストを率いるキャシーウッドは「米国株は過大評価されていない」と述べており、テスラ株は25年までに3000ドルを更新すると言っています。

バンク・オブ・アメリカの米国株・クオンツストラテジー部門責任者のサビタ・スブラマニアンが率いるチームは、「現在とITバブルの間には無視し難いほどの類似点がある」と言っています。

やはり、インフレの進行や株式への異常なほどの過熱、史上最低水準の金利、ウクライナ情勢の長期化などアメリカは深刻な問題を多く変えているように思えます。

投資家でも意見が割れる中、アメリカ経済はどの方向に動いていくのかに世界中から注目が集まります。

まとめ

今回はバブルの歴史に書いてある過去のバブルの経緯に基づき、現在のバブルはどうなのか?について考えていきました。

現在は米国株が過熱気味にあることは間違いなく、今後の金融引き締めに耐えられるのかが、課題となります。

過去に前例のない多くの問題を抱える中で、アメリカ経済は世界を牽引できるのか?どう問題に向き合っていくのか?と注目が集まっています。

ウォーレンバフェットは「我々が歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばないという事実だ」というように、人が過熱している時にこそ一歩下がって市場を読み、人が恐怖している時にこそ、ありがたく買い迎える気持ちの方が投資にとってはいいのかもしれませんね。

投資は人の意見ではなく、自分で判断し決めること。それがバフェット流です。皆さんも次のバフェットになれるよう頑張りましょう!

コメント

タイトルとURLをコピーしました