ここ最近は決算シーズンということもあり、さまざまな決算を見ていますが、やはりコロナ需要で増えた成長を越えられない企業が続出しているように思えます。
おそらくNASDAQやハイテク株に投資をしていた方達は今回の決算を受けて悲観的になっている人も多いでしょう。
今回は決算を見た上でAmazonの今後と現在の価格について考察していきます。
(ちょっと決算を失敗する企業が多すぎて精神的にもキツくなっています…!)
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Amazonの主な決算内容
Amazonの主な決算内容は下記の通りです。
営業キャッシュフローは営業活動、すなわち本業に関わる活動におけるキャッシュの流れを表します。
営業キャッシュフローはプラスであればあるほど、その企業の収益性は良いとされますので、40%以上の減少はかなり悪いニュースであるという認識で問題ありません。
フリーキャッシュフローがマイナスになっている時点で営業キャッシュフローが増加する可能性は0に等しいので、Amazonのキャッシュフローは全体としてかなり悪いと思います。
また、純売上高は7%増加しています。さらに、最近のドル高の影響を除けば9%の増加が見込めたとのことで、輸出企業として為替の影響を強く受けているということを発表しています。
次に営業利益について見てきますが、その前に営業利益について説明します。
営業利益は下記の式で表されます。
営業利益 =売上高 -売上原価-販売費・一般管理費
営業利益とは、本業のビジネスで発生した売上高から、売上原価や、営業に必要な販売費、会社を維持するための一般管理費を差し引いた利益です。会社の本業の営業力を示すもので、営業利益が高い会社は、本業における収益力が高いと判断されます。
ここも減少しているとなるとAmazonの本業の強さに不安が出るのもしょうがないと言えるでしょう。
最後に純損失になりますが、これはリビアンへの投資の失敗と言えるでしょう。リビアンへの投資でAmazonは76億もの損失を計上しており、リビアンの暴落がAmazonの利益を大きく下げてしまったことがわかります。
Amazonのキャッシュフロー計算書
おそらく皆さんが知りたいのはなぜキャッシュフローがこんなにも減少したのかという点だと思います。
昨年から大きく変化した点をまとめました。※今回からキャッシュフロー計算書上でマイナスのものは赤文字にしております。
まず繰延税金がプラスからマイナスになりました。繰延税金とは企業がいずれ支払わなければならない税金のことです。
Amazonは昨年度は8億ドル近くの税金の支払いを延期し、利益として計上していましたが、今年は40億近くの税金を納めたことを意味しています。
次に在庫についてです。在庫の購入費用が増加していることがわかります。これは、Amazonは世界中のネットマーケットでの需要に応えるために在庫を強化しているという認識問題ありません。
次に売掛金です。売掛金とは、売上の対価として将来的に金銭を受け取る権利、売掛債権のことです。つまり、Amazonは将来的にはお金を受け取れますが、まだ金銭を受け取っていないためキャッシュフロー計算書には計上できないということです。
買掛金は売掛金とは反対に支払い債権であり、将来的に支払わなければならない債務のことです。
簡単にいうと借金のようなもので、金銭のやりとりがないため利益として計上しているということです。Amazonは昨年度と比較して140億ドルも買掛金が減少しており、これが1番のキャッシュフロー減少の要因とも言えるでしょう。
私はこれはいいことだと思っています。なぜなら買掛金という負債は減少していて、売掛金と在庫という資産は増加しているからです。
結果としてキャッシュフローの減少の要因にはなりましたが、全てが悪いということではありません。
最後に設備投資費用ですが、これはAmazonが世界の需要に応えるために倉庫を大幅に拡大したことによる費用です。
流石に設備投資にお金を使用しすぎであるとは思いますが、今後は効率化も焦点に当てていくといっていたので今年ほどの費用の計上はないと思って問題ないでしょう。
事業ごとの収益
次はAmazonが発表している事業ごとの収益について見ていきましょう。
北米では売上高は順調に推移しています。世界の売上高は減少していますが、これは先ほども説明した通り、為替の変動による影響が大きいと思います。
ここで最も注目すべきはAWSです。AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供している100以上のクラウドコンピューティングサービスの総称です。
Amazonが提供するクラウドサービスということです。
AWSの売り上げは36%も上昇しており、今後のAmazonビジネスの中心になっていくことが期待できます。
Amazonの株価分析
上の図は現在のAmazonの株価になります。
決算発表後14%の下落を見せており、コロナ以降高値圏で推移してきたAmazonが暴落することになりました。
株価だけを見ますと、2年前の株価に迫る値となっており2年の成長が一夜にして消える結果となりました。
週足チャート
上の図はAmazonの週足チャートになります。
黄色が25日移動平均線、紫色が50日移動平均線、ピンク色が100日移動平均線、緑色が200日移動平均線になります。
これを見るとAmazonは200日移動平均線である2500ドルを割り込んでいることがわかります。
ここを割り込むと2020年の4月の抵抗線である2444ドルを試す展開になり、ここも割り込むようだとコロナ以前の高値2100ドルが抵抗線になる可能性が高いです。
Googleやネットフリックスなどのグロース株が決算を失敗する中でAmazonの失敗は市場全体に悪い影響を与えました。
日足チャート
上の図は日足、MACD、RSIになります。
これを見ると、4/6の段階で一度デットクロスが生じていて下落トレンドに転換していることがわかります。
さらに今回の暴落で下落に拍車がかかったというべきでしょう。
RSIに関しても29まで落ちてきており、市場からしても売られすぎであると言えるでしょう。
しかし、決算ミスでの暴落を掴むとNetflixのような大幅続落の可能性もあるので、注意したほうが良いと思います。
Amazonの将来性は?今の価格は割安?
私はAmazonは短期的に見て厳しい展開が続くと思います。
なぜなら、Amazonは今年のプライムデーが7月に開催することを発表したからです。
昨年、Amazonは6月にプライムデーを開催し、第2四半期の収益を大幅に上昇することに成功しましたから、今年は第3四半期の結果を押し上げる一方で、第2四半期の収益の前年比を損なう可能性が高いです。
つまり3ヶ月後の第2四半期の結果は悪いことが想定され、そこに市場が過度に悲観的に反応するようであれば、Amazonの見通しはかなり悪いものになるでしょう。
ドル高やリビアンの損失などの悪いニュースは多くあったものの、AWSの売り上げが堅調に上昇しているなどのいいニュースも一定数ありました。
私は現時点では購入しませんが、第2四半期の決算でAmazonが低く評価され、総合的に見て割安と感じた場合は買い増すことも考えています。
まとめ
今回はAmazonについて取り上げました。
今回の決算を受けてAmazonの悪いニュースを多く見ますが、少なからずいいニュースもあります。
GAFAMの時代は終わりを告げるのかは誰にもわかりませんが、今まで経済を引っ張ってきた企業は力強い財務体制があります。
今後の株価の値動きはどうなっていくのか、米国経済全体としてどうなっていくのかに世界中の投資家が注目しています。
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